愛犬のパピヨン・サクラさんの脾臓と胆嚢の摘出手術から、10日以上経ちました。
お腹の抜糸と脾臓の腫瘍の病理検査の結果を聞きに行ったら、「良性」ということでやっと安心できました!
脾臓と胆嚢を同時に摘出したパピヨンのサクラさん。
サクラさんは、小さい頃から胆嚢に胆泥が溜まりやすいようでした。
胆嚢の役割は?胆嚢の病気は怖いって知っていますか?
胆嚢摘出手術って、胆嚢がなくなっても普通に生活できるの?
最初は、脾臓摘出だけの予定だったけど・・・。
動物病院の院長先生から電話で「元気なうちに胆嚢も同時に摘出したほうがいい」ということになり、胆嚢摘出手術もしました。
結果、犬も高齢になってくると胆嚢に貯められている胆汁が変質して、胆泥や胆石、黄疸となり、軽度であれば内科治療、重度の胆嚢粘液嚢腫や肝外胆管閉塞、胆嚢破裂となれば外科治療となるので、元気で体力がある今の内に胆嚢摘出手術となりました。
ということで、今日は「犬の胆嚢摘出手術は難しい?費用や術後のリスクは?実際に手術してして病院で教わった症状や治療法まとめ」です。
胆嚢の役割は胆汁を排出するポンプ
今年の2月に急性肝炎か胆嚢炎で体調が悪くなり、入院した愛犬パピヨンのサクラさん。
仔犬の頃から超音波(エコー)検査をする度に、胆嚢の問題を指摘されてはいたけど・・・。
今回も脾臓の腫瘍の超音波(エコー)検査で、胆嚢に泥が溜まっている胆泥の状態と言われました。
時々、気持ちが悪くてお庭で吐いたりしてるけど、胆嚢が原因ってこと?
胆嚢って、どんな役割なのかよくわかってないのよね・・・。
胆嚢は、胆汁を貯めているところです!でも、脾臓と同じように、胆嚢がなくなっても代替器官があります。
院長先生に、詳しく胆嚢について教わってきました。
胆嚢の役割や機能を説明します。
体の中で胆嚢役割は胆汁を貯めておく場所
胆嚢は、肝臓で作られた脂肪を溶かす胆汁を貯めておく場所です。
小腸が大部分の栄養素の吸収をするけど、胆汁の働きで脂肪の消化や吸収が促進されます。
胆嚢がなくなった場合は代替器官が働く
胆汁は胆嚢で濃縮されていて、通常は黄褐色です。
胆嚢に貯められている間に酸化して、緑色になります。
胆嚢の収縮・拡張が十分に行われなくて胆汁が渋滞すると、胆汁が茶碗にたまった茶渋のように溜まり、胆泥が発生します。
ただし、たくさん食べたり脂っこいものを食べた時などは、肝臓からの胆汁の分泌が追いつかなくて下痢や腹痛といった症状があります。
高齢犬に多い!犬の胆嚢の病気や原因・症状・検査法・治療法
脾臓の腫瘍確認の為に、1ヶ月後の再診で超音波(エコー)検査をしました。
超音波(エコー)検査の結果、胆嚢に白いモヤがあり、胆泥が溜まっているか炎症があると言われた愛犬のサクラさん。
エリザベスカラー付き&仰向け状態で、超音波(エコー)検査されているのに、アナタ達は何を話しているの!?早く終わって!
先生、脾臓の腫瘍で脾臓摘出手術でお腹を開くのだったら、負担が少ないように胆嚢の治療も可能でしょうか?
胆嚢の摘出手術は難易度が高く、脾臓の腫瘍に集中した方がいいと思います。
この時は、胆嚢の摘出手術は見送られましたが・・・。
翌日に院長先生から電話がかかってきて、先生方と相談の結果、脾臓と胆嚢の同時摘出手術となりました。
院長先生から細かく教わった犬の胆嚢の病気や原因・症状・検査法・治療法について紹介します。
高齢犬や肥満型犬がなりやすい!胆嚢の病気の原因
胆嚢の病気は、中高齢犬や肥満体型の犬に多いと言われています。
犬も高齢になって老犬になると、胆嚢の機能が低下して、問題がでてきます。
また、愛犬のサクラさんのように元々胆嚢に問題を持っているか、高カロリーな食べ物や犬のおやつを食べて、胆嚢に問題がでてくる犬もいます。
明らかな原因は不明だけど、元々症状を持っている犬も多く、老化によって顕著になり、胆汁が泥のようにたまって胆泥症、胆嚢炎、胆石症、胆嚢粘液嚢腫、腫瘍ができます。
また、胆嚢疾患は細菌感染や高脂血症、内分泌疾患で起こると言われています。
発症しやすい犬種は、シェットランドシープドッグ・ミニチュアシュナイザー・コッカースパニエル・トイプードル・ビーグル・シーズーが注意が必要です。
胆嚢の病気の症状
胆嚢は肝臓と十二指腸の間にあり、胆嚢管を通じて主な胆管と繋がっています。
愛犬のサクラさんの時もそうだけど、胆嚢の病気の症状は初期は無症状です。
犬の胆嚢の病気の症状が進行すると
といった感じの症状がでます。
胆嚢炎が悪化したり、肝外胆管閉塞になると黄疸になります。
さらに重度になると、元気がなくなったり、胆嚢破裂で生命の危機に陥ります。
胆嚢の病気の検査
肝胆管の問題が疑われる場合の検査は
サクラさんのように胆嚢に泥が溜まっている状態(胆泥)は、超音波(エコー)検査で白くモヤのように映ります。
また、血液検査で肝臓に関連するALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、ALB(アルブミン)、TCho(総コレステロール)、Glu(グルコース)、BUN(尿素窒素)、胆嚢に関連する数値のALP(アルカリフォスファターゼ)、GGT(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)、TBIL(総ビリルビン)の値を調べます。
胆嚢摘出手術は難易度が高い!胆嚢の病気の治療法
胆嚢の病気で軽度な胆嚢炎や胆泥症、胆石症、胆嚢粘液嚢腫であれば、内科治療が行われます。
しかし、再発する、胆嚢破裂、肝外胆管閉塞など重症化する場合は、外科治療が行われます。
サクラさんの場合は、胆嚢摘出手術はいつもの動物病院でも院長先生しか執刀できず、執刀可能だったため、「元気で体力のあるうちに」と再発防止で胆嚢摘出手術となりました。
内科治療
軽度な胆嚢炎や胆泥症、胆石症、胆嚢粘液嚢腫は、抗生物質や利胆剤など投薬治療になります。
また、低脂肪食や療法食に変えるといったドッグフードの改善も行われます。
外科治療
再発防止や重症化している場合は、胆嚢摘出手術となります。
また、胆管閉塞がある場合は総胆管を洗浄します。
胆嚢も盲腸や脾臓と同じく摘出してもなくてもいい臓器で、犬の寿命に影響はないとのことでした。
犬の胆嚢摘出手術の注意点やリスク・入院期間・手術費用
脾臓の摘出手術と同時に、胆嚢の摘出手術もすることになった愛犬のパピヨンのサクラさん。
院長先生の話では、脾臓の摘出手術はそこまで難しくないけど、胆嚢の摘出手術となると話が異なるとのことでした。
大変な手術だったの・・・元気もなくて、ICUにいるの・・・。
サクラさんが酸素室(集中治療室)にいるけど、大丈夫ですか?
胆嚢摘出手術は難易度が上がるので、隣の市でも2,3軒ですね。ウチの市では私だけだと思います。ちょっと手術時間がかかりましたが、丁寧に皮膚縫合もして無事に終わりました。ただ、様子を診るためにICUに居ます。
胆嚢摘出手術はできる動物病院が限られるけど、大変な手術を院長先生と若い先生とで成功してくれました。
犬の胆嚢の摘出手術の注意点やリスク、費用や入院期間について説明していきます。
胆嚢摘出手術の注意点やリスク
手術の説明を、毎度同じように画像スライドで私たちに説明してくれる先生。
サクラさんの胆汁は、ドロドロの黒っぽい感じになっていました。
また、胆嚢摘出手術も全身麻酔になるため、アナフィラキシーショックが起こるなど、危険性も含まれます。
胆嚢の摘出手術は犬の体への負担が大きく、強い痛みがあるため術後に痛み止めが施されます。
サクラさんは脾臓と胆嚢の摘出手術で、麻酔が切れていないのか術後3時間の面会時にはICUでかなり辛そうでした・・・。
胆嚢摘出手術のリスクは合併症に注意が必要
胆嚢摘出手術は、合併症を引き起こすリスクがあります!
院長先生の術後の説明では、胆嚢摘出手術後のリスクを避けるために教科書通りの手術法ではなく、胆嚢管結合部から1~1.5cm下で切ったとのことでした。
胆嚢摘出手術に術後に合併症のリスクがあるので、動物病院の先生とよく相談してください。
胆嚢摘出手術の入院期間
犬の胆嚢の摘出手術の場合、入院期間は一般的に3~7日と説明を受けました。
これは、術後に血液検査で数値を見ていくため、2日間は血液検査が必要とのことでした。
ただし、手術前の胆嚢の状態などによって変わります。
今回のサクラさんの場合は、手術翌日以降は元気で食欲もあり、血液検査の結果も問題なくなって、2泊3日で退院できました。
胆嚢摘出の手術費用
犬の胆嚢の摘出手術は犬の状態や入院期間によって変わるけど、一般的に手術費用は20~30万円くらいです。
他のところでは30万円するところもありますが、ウチだとこれくらい、もうちょっとかかってしまったらホントにすいません・・・。
事前の説明では、脾臓と胆嚢摘出手術+入院が5日間くらいであわせて20万円くらいかもという話だったけど、3日で退院できてコミコミ17万円弱でした。
ホントに良心的な動物病院で、院長先生から若い先生、看護師さんも多く、信頼できる動物病院で助かっています。
まとめ 犬の胆嚢摘出手術は難易度が高く、犬にも負担があるので、動物病院の先生とよく相談してください
愛犬のサクラさんのように仔犬の頃から胆嚢に問題がある子もいるけど、中高齢犬や肥満体型の犬に胆嚢の病気は多いです。
胆嚢は胆汁が貯蔵されている場所で、なくても肝臓が代替器官として働いてくれます。
ただし、胆嚢摘出手術は難易度が高く、できる動物病院は限られてきます。
「犬の胆嚢の病気」については、こんな感じです。
胆嚢摘出手術には「合併症」というリスクもあるので、色々と動物病院の先生とご相談ください。
高齢になって、胆嚢の病気が顕著になったんだワン!手術が無事に終わるように、オレたちお空組が、元気玉を送ってやったワン!
内臓が2つもなくなったけど、食欲は戻ったわ!ありがとうお兄ちゃん♪
もう!抜糸の時に体重が元通りの9.5kgになってて、先生も「内臓がなくなったぶん、体重が減るはずなのに・・・」って言ってたでしょ!
サクラさんの場合は、仔犬の頃から胆嚢に泥がたまりやすく、老化によって胆嚢の機能が低下していました。
これから更に年老いて胆嚢の大きな病気になる前に、脾臓の腫瘍の摘出手術の段階で、予防として胆嚢摘出手術となりました。
退院後は2回ほど、朝ドッグフードを食べたがらないということがあったけど、朝のお散歩後には食べてました。
老犬になる8歳以降は、他の病気を含めて1年に2回の健康診断を受けてください。問題を早期発見することが大事です。
術後一週間もしたらすっかりと元気が回復して、走り回ったり食べ物をねだっていたくらいです。
胆嚢には色々な病気があり、中高齢の犬は顕著に症状が出てくるので、胆嚢摘出手術の事も含めて参考になれば幸いです。
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