愛犬のパピヨンのサクラさんが、脾臓(ひぞう)と胆嚢(たんのう)の同時摘出手術から退院して、1週間が経ちました。
退院2日目の朝はドッグフードを食べなかったり、お腹を縫った糸が突っ張るのか歩き方がぎこちなかったけど・・・。
1週間も経てば、ソファに飛び乗れるようにまですっかり元気に食欲旺盛に回復しました!
9月に動物病院に行ったついでに、たまたま健康診断をして見つかった愛犬サクラさんの脾臓の腫瘍。
中高齢犬に多い病気の脾臓の腫瘍とは?良性か悪性かどうやってわかるの?脾臓の摘出手術はするべきなのか?
パピヨンのサクラさんは元気いっぱいなのに脾臓に腫瘍が見つかって、私たち家族も脾臓の摘出手術で悩みました。
脾臓の腫瘍の病理検査の結果は今週の抜糸の時にわかるけど、良い結果であることを祈ってます。
結果、脾臓の腫瘍は脾臓ごと摘出手術をして病理検査をしないと良性か悪性かわからず、良性・悪性いずれの場合もお腹の中でいつ何時破裂する危険性があり、腫瘍が破裂すれば腹部内大出血で命に関わるので、脾臓摘出手術をしました。
ということで、今日は「愛犬の脾臓に腫瘍が!摘出する?手術したからわかる動物病院で教わった症状や治療法まとめ」です。
偶発的にやった愛犬の健康診断で脾臓に腫瘍が
よく耳を「う~ん」とかいていたパピヨンのサクラさん。
耳の中が赤くなっていて、治療の為に動物病院に毎週行っていました。



12歳でもまだまだ元気いっぱいだけど、老犬になっているパピヨンのサクラさん。
ふと思いついてやった健康診断で、思わぬ病気が発見されました!
エコー検査で脾臓に腫瘍が見つかった
サクラさんの耳が赤くて痒がってたのが、やっと治療が終わった😊
でも、念のため健康診断を受けたら、脾臓に腫瘍が...。
1ヶ月後の再診察で良性であることを願います😣 pic.twitter.com/bOQyb0YM28— カイとサクラ (@kaisakura33) September 30, 2020
無事に耳の治療が終わって、健康診断の結果が恐ろしい病気の発見になりました。

2月の急性肝炎か胆嚢炎の時の検査では見つからなかったのに、たった6か月で急に脾臓に腫瘍が見つかりました・・・。
なくても生活に支障はない
脾臓の役割
人間にも犬・猫にも脾臓はあるけど、体の中で脾臓はどういう役割をしているのかよく知らないですよね?
かんたん説明
脾臓は血液が貯蔵されている臓器で、古くなった赤血球を壊したり、免疫力を高めたり、骨髄で血液が作れない時に変わりに造血をするという役割をしています。
院長先生の説明では不思議な臓器で、盲腸と脾臓、胆嚢はなくても生活に支障はなく、他の臓器が変わりに役割を担うということでした。
つまり、犬が長生きできるできないに影響はないということです。
脾臓に腫瘍があると?
犬の脾臓の腫瘍の原因や症状・検査法・治療法
愛犬のパピヨン・サクラさんの脾臓の腫瘍が見つかって、1ヶ月後の再診。
院長先生が仰向け状態のサクラさんをエコー検査しながら、脾臓の腫瘍について説明してくれました。



サクラさんの脾臓にできた腫瘍は1か月前と変わらない大きさだけど、今すぐ破裂するというほどの大きさでもなかったです。
院長先生から細かく教わった犬の脾臓の腫瘍の原因や症状・検査法・治療法について紹介します。
脾臓の腫瘍の原因
犬の病気の中で脾臓に腫瘍ができる事は多く、犬の脾臓に腫瘍ができる原因は今のところ原因不明です。
現在まで、まだはっきりと原因が解明されていないとのことです。
注意ポイント
ただし、中高齢犬に多く、どの犬種でも脾臓に腫瘍ができる可能性があります。
一説には、ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー・シェパードがなりやすいとも言われています。
破裂しない限り無症状です!
脾臓の腫瘍がある場合の症状
脾臓は、胃に対してほぼ平行の位置にあります。
犬の脾臓の腫瘍から出血がない場合は、ほとんどは無症状であり、サクラさんも無症状でした。
犬の脾臓の腫瘍が大きくなってきた場合は
犬の脾臓の腫瘍の症状
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- 嘔吐する
といった感じの症状がでます。
しかし、重度の場合(お腹の中で腫瘍が破裂して出血をおこす)は、貧血(下の裏が白い、歯茎が白い)、ぐったりする、ショック症状を起こすといった命の危険があります。
この場合は、すぐに脾臓摘出手術をしないと死の危険性があります。
脾臓の腫瘍の検査
愛犬のサクラさんの場合は、CT検査はやっていません。
犬の脾臓の腫瘍の検査は
脾臓の腫瘍の検査
- 血液検査
- エコー検査
- CT検査
で判明します。
主に、エコー検査でわかることが多く、脾臓の腫瘍の大きさの確認をします。
CT検査は設備がある動物病院でないと実施できず、またCT検査は脾臓の腫瘍が良性か悪性かの確実な判断はできないとのことでした。
CT検査は、主に他の臓器への転移(肺や肝臓)のチェックに使われます。
注意!腫瘍が良性か悪性かは病理検査をしないとわからない
できたら犬に負担なく、脾臓の腫瘍が良性か悪性か知りたいところだけど・・・。
注意ポイント
脾臓の腫瘍は、専門機関の病理検査をしないと良性か悪性かわからないとのことです!
脾臓は血液が貯蔵されているので、腫瘍に針を刺して組織検査は出血してしまう為できないとのことでした。
脾臓の腫瘍は悪性だと、血管肉腫が多いです。
脾臓の腫瘍の治療法
脾臓は血管が多い臓器であり、腫瘍だけを摘出することは腹部内出血の危険性から外科治療で部分切除ではなく、脾臓ごと摘出になります。
また、悪性か良性かは病理検査をしないとわからず、悪性の場合は血液がたまっている脾臓は転移の可能性大な為、脾臓摘出となります。
これは、脾臓の腫瘍は良性であっても悪性であっても血液がたまっているので、大きくなって破裂すればお腹の中で血がたまって生命の危機になるからです!

先代犬、コーギーのカイくんの急性膵炎や毎回すべての事を事前に隠さずに説明してくれる院長先生。
サクラさんの場合はまだ12歳で元気があり、事前の血液検査もOKだったので、再診1週間後に院長先生の執刀で脾臓および胆嚢の同時摘出手術となりました。
脾臓の腫瘍が良性の場合は、脾臓摘出でその後は良好ということで、何も問題がなくなります。
もしも脾臓の腫瘍が悪性であった場合は、腫瘍の種類による治療(放射線治療や抗がん剤治療)という選択肢になります。
脾臓の腫瘍の2/3が悪性腫瘍、その内2/3が血管肉腫(2/3ルール)について
また、ネットで調べると「脾臓の腫瘍は2/3が悪性腫瘍、その内2/3が血管肉腫(2/3ルール)」、または「脾臓腫瘤の50%が腫瘍、腫瘍の50%が血管肉腫」と言われてるけど・・・。
院長先生の術後の説明では、

2/3ルールと言われているデータは海外のデータで古く、大学などの2次診療施設でまとめられたデータとのことです。
2次診療施設は症状が重い犬が紹介されるため、悪性腫瘍の割合が高くなってしまします。
『2/3の法則』『fifty-fifty rule』 この法則は本当?
本研究:良性70%、悪性30%(紹介症例:23%)
従来の報告と逆転
大学病院と母集団が違う!→2次診療バイアス
1次診療では良性病変の比率が高いことを示唆
埼玉医療動物センターの2017ガン学会の報告では、1次診療の場合は3割悪性で、血管肉腫は破裂しやすいとのデータでした。
注意!事前の血液検査や不整脈があるとNG
脾臓摘出手術は、事前に血液検査があります。
注意ポイント
脾臓の腫瘍に血液が含まれているため、貧血などの数値をチェックします!
手術中の輸血が必要かどうかや他の病気がある場合も、脾臓摘出手術が見送られる場合があります。
また、不整脈がある場合も動物病院の先生とよく相談してください。
犬の脾臓の摘出の入院期間や手術費用
脾臓と胆嚢の摘出手術をしたサクラさんの術後の様子が心配で、手術後当日に面会に行った私たち。
いつもの入院ゲージではなく、酸素室(集中治療室)でぐったりと横たわっているサクラさんを見た時には泣きそうでした・・・。



手術の説明を、毎度同じように画像スライドで私たちに説明してくれる先生。
かんたん説明
今回のサクラさんの脾臓の摘出手術は、太い血管を1本ずつ縛っていき、毛細血管はレーザーメスで焼き切ります。その後、出血箇所がないか確認して、脾臓の摘出となりました。
犬の脾臓の摘出手術の費用や入院期間について説明していきます。
脾臓摘出手術の入院期間
犬の脾臓の摘出手術の場合、入院期間は一般的に1~3日と説明を受けました。
ただし、手術前の状態(腫瘍破裂してる)などによって変わります。
術後の血液検査の数値に異常がないか、食欲はあるかなど様子を診て退院となります。
今回のサクラさんの場合は、手術翌日以降は元気で食欲もあり、血液検査の結果も問題なくなって2泊3日で退院できました。
動物病院で異なります!
脾臓摘出の手術費用
犬の脾臓の摘出手術は犬の状態や輸血、入院期間によって変わるけど、一般的に手術費用は10~15万円くらいです。
脾臓の腫瘍の病理検査は外部機関に出すため、8,000円でした。

事前の説明では、でかパピヨンのサクラさんの場合の脾臓摘出手術費用は、すべて合わせて7万円、いっても10万円とのことだったけど・・・。
胆嚢の摘出手術もあわせて、2泊3日という予想より早い退院のおかげでコミコミ17万円弱でした。
先代犬からずっとお世話になっている動物病院は、ホントに自他ともに認めるくらい安いです。
院長先生が毎回申し訳なさそうに費用について言ってくれるけど、全然友達が行っている他の動物病院より安い上に、すごく信頼できるので助かっています。
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だいたい10日間かかります
脾臓の腫瘍の病理検査結果はリンパ性結節性過形成
脾臓と胆嚢の同時摘出手術から10日経って、抜糸と脾臓の腫瘍の病理検査の結果を知る為に動物病院にきました。



サクラさんの脾臓の腫瘍の病理検査結果は、リンパ性結節性過形成でした。
結節性過形成は良性病変ですので、転移を起こすことはありませんが、血腫の原因になることがあります。
脾臓摘出後は良好な予後が期待されます。
9月から約2ヵ月間不安な日々を過ごしたけど、良性ということで安心できた私たち家族。
ただし、10日間で脾臓と胆嚢を摘出して体重が減っているはずなのに、元に戻ってしまっていたので食べすぎに注意しないといけないですね!
まとめ 老犬になる8歳以降は1年に2回の健康診断を受けた方がいい
犬の脾臓に腫瘍ができる病気は多く、特に中高齢の犬は注意が必要です。
脾臓の腫瘍は、摘出して病理検査しないと良性か悪性かわかりません。
また、脾臓は血液が集まっていて出血の危険性があるので、良性・悪性でも脾臓を全摘出となります。
脾臓はなくても生活に支障がなく、盲腸と同じような感じとのことでした。
「犬の脾臓の腫瘍」については、こんな感じです。
犬の脾臓の腫瘍まとめ
- 症状:出血しない限り無症状が多い、元気がない、食欲不振、嘔吐など。重度の場合は腹部内出血による貧血(下の裏が白い、歯茎が白い)、ぐったりする、ショック症状を起こす。
- 原因:不明。中高齢犬に多い。
- 検査法:血液検査・エコー検査・CT検査(CTは設備がいる)
- 治療法:脾臓は血管が多い臓器で悪性か良性かわからないため、外科治療で部分切除ではなく、脾臓ごと摘出になる。
脾臓の摘出と言われるとすごく悩むと思うけど、愛犬が元気があるか?手術を乗り越えられるか?今後の為など色々と考えて動物病院の先生とご相談ください。



抜糸するまではお散歩は禁止されているけど、尿漏れ&お散歩をしないとストレスでご飯を食べないということでお散歩をしていて、元気に走っています!
病理検査の結果はだいたい10日後に動物病院に送られてきて、サクラさんの場合は抜糸のタイミングで結果がわかると思います。
犬の脾臓の腫瘍はサクラさんの場合も同じで、無症状でエコー検査で発見されることが多いです!

まだ病理検査の結果がわからず良性であることを願っているけど、犬の脾臓の腫瘍の摘出手術で迷っている飼い主さんの参考になれば幸いです。
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